今回ご紹介するのは『
シフト -
世界はクリアを待っている』です。
こちら過去に『悪魔のミカタ』を執筆されていた
うえお久光氏の著書なのですが、初版刊行は2005年にメディアワークスよりハードカバーにて。
その後、2巻を発売して停滞していた本が電撃文庫での文庫化&続編再開だそうで。
僕は文庫から読み出したのですが、ハードカバーのときの書籍を持っている方はなんとも微妙な心境になったでしょうね。
さてこちら、僕が今続きが読みたくて仕方がない小説のひとつであります。
あらすじを申しますと、
一部の若者に起こっている不思議な現象。
それは、眠っている間に自身の意識がファンタジー世界へと"シフト"するといったものだった。
少年少女たちは二つの世界を行き来し、"日常"と"冒険"を繰り返す…。
この世界はなぜ存在するのか?
ただ一つ、"シフト"の際に聞こえる「世界はクリアを待っている」という言葉だけが、その答えへのヒントだった…。
というものです。
このお話ですが、"シフト"世界の設定がなかなかどうしてよくできてます。
世界に関するルールは、
・ 18歳以下の子供のみが"シフト"される。
・ "シフト"は半ば強制的に行われる。(自身の意思での"シフト"は鍛錬次第で可能)
・ 現実世界、"シフト"世界では双方の記憶を保有する。
・ "シフト"世界での死は、まず"シフト"世界の記憶を消去した上でこの世界から追放され、そして現実世界で夢が見られなくなるというペナルティが付く。
・ 18歳を越えた時点で"シフト"世界の記憶を失い、この世界から追放される。(夢が見られなくなるかは不明)
・ "シフト"世界には、何らかの形での"クリア"が存在する。
大雑把にはこんなものです。
本当は他にも種族や職業、スキル等の設定もあるのですが、そこは割愛で。
この世界、造りはMMORPGにかなり近いです。
が、感覚は現実のそれと変わらすありますし、世界の現実味は胡蝶の夢のように切り替わります。
その上、上記のルールの"強制的なシフト"と"ペナルティ"の存在によってかなり生臭い世界となりまして。
弱者が逃げられない、もう一つの現実となって存在します。
当然法律など無いですから犯罪が横行しますが(例えば作中に出る統計では、おおよそ4割の男女性はレイプ被害を経験しているほど)、そんな世界だからこそみんな必死に生きようとします。
この、ゲームのような世界の中にある厳しさの量が僕としては絶妙に感じます。
他にも匿名性を失うペナルティ等もありますし。
お話は、この世界を"クリア"するための"条件"が風の噂でまことしやかに流れ出したことから動き出します。
実際に時系列的には、1巻はその噂の流布からかなり時間がたってのスタートですが、まぁ主人公たちがその騒動の中心になっていくわけです。
そこからの展開が、
熱い熱い。1巻の熱さは今まで僕が読んだライトノベルの中でも屈指でした。
この1巻の後半部分のためだけにこの本を買ってもかまわんと思います。
物語の構成的には場面の転換が急だったり、1巻の終わりから2巻の話への流れが始め「?」と感じたりと、中々キツイところもあります。
でも、それを補って余りある、設定やストーリーの魅力を持っています。
もし上記の設定を見たうえで食指が動いたなら、今すぐ書店へダッシュ!
その他にも、日頃から「わくわくするようなファンタジー分が足りん」、「熱い作品を読みたい」とお悩みのあなたにこそ読んで頂きたいですね。
以下
ネタバレ反転注意!
なんで早くシェヘラザを助けないの!?
もう、1巻のあの展開はなんだったんだよぅ!?
2、3巻が必要だったのはわかりますけどね。
結果として1巻でほのめかした過去話についてはほぼ語り終わりましたし、役者も揃いましたさ!
でも…この間にも小雪ちゃんは…小雪ちゃんはよぅ…ッ!!
今、3巻まで刊行されている時点でお話の土台が出来上がり、次の巻でいっきに終結するも大風呂敷を広げるも可能なこの状況。
しかしながら是非、選ぶなら後者を選んでいただきたい!
だって前者だとなんだかシェヘラザを助けるイベントが省略されそうですもの!
ぼかぁ小雪ちゃんの笑顔が見たいんですよッ!よろしければ一押し